
てHFデータリンク利用の技術的実現性を評価するため、1995年7月に設けられたHFデータリンク特別(Ad Hoc)ワーキング・グループの検討報告が以下のように行われた。
・HFデータリンクは、ATNとの互換性を有する。
HF音声から衛星を含むデータリンクに移行することにより、将来的には既存のHF周波数をデータリンクに利用できることになるが移行中の周波数確保が問題となる。
・HFデータリンクは、衛星データリンクとの共通部分が少なく、双方を同時に停止させるような故障の発生確率は低い。
結果として、衛星通信(SATCOM)データリンクを補完するHFデータリンクの有効性が認められ、また、この報告の中の航空機サブシステム、地上局サブシステム、地上間通信サブシステム及び管理サブシステムに関する記載は、今後のSARPs及びガイダンス・マテリアル作成に利用されることが合意された。
(1)HFデータリンク・トライアル
3局のHF地上局を使用して1993年から開始された北大西洋上のトライアル(現在のHF搭載機数は31で使用キャリアは6波)の内容が報告され、冗長系SATCOMが98.9%のデータリンク・アベイラビリティを有するのに対し、SATCOMとHFの組合せにより、99.94%のアベイラビリティが達成可能であることが報告された。
(2)ATS用HF通信システムに関する基本要件
会議では、今後の作業としてSARPsとガイダンス・マテリアルの作成に着手することが合意され、以下の勧告が作成された。
勧告6/1 HFデータリンクに関する標準及び勧告方式(SARPs)の作成
a)パネルは、システム解説書を正当に評価し、パネルによって行われた実現可能性の研究結果に基づき、HF空地データリンクのためのSARPsとガイダンス・マテリアルの作成を継続すること。
b)パネルは、HFデータリンクのSARPs作成に際してネットワーク及び利用可能な周波数帯域を含む周波数管理に関する事項について早急に考察すること。
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